2024年度2回目の例会は下記の要領でオンライン開催いたしました。
2024年度1回目の下記の要領でオンライン開催しました。
今回のテーマは新国家資格取得に向けた海外在住日本語教師の置かれた状況についてと中国での「ゆるキャラ」を使ったプレゼンテーションの実践研究でした。
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日時:2024年6月8日(土)
海外日本語教育学会2024年度会員総会
:15:30-16:00
2024年度海外日本語教育第1回研究例会 :16:00-18:15
開催形式:Zoomによるオンライン開催
参加費:無料(会員、非会員とも)
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第1部
表題:
新国家資格取得に向けた海外在住日本語教師の置かれた状況と課題
発表者: 近藤
正憲(当学会世話人)
進行:村木(当学会世話人)
内容:
2023年度第3回の研究例会で、新制度「登録日本語教員」について、少なからず不安や疑問点を持つ会員もいると思われたことから、この問題を取り上げ、明らかになる範囲でお答えした。今回の発表は、文部科学省(3月31日以前は文化庁)のHPで得られた情報、及び、文化庁への質問で新たに得られた情報をもとに、海外在住の日本語教師に関連のある事項を中心にお話しすることとする。
この国家資格の新設は、単なる教師資格の新設ではなく、日本語教育に関する制度全体の創設である。制度のほとんどは国内の日本語教師を想定しており、海外在住の日本語教師、非母語話者の教師が国家資格を取得には大きな負担を伴うことは明らかである。一方で、国籍、母語に関係なく受験できる法的な枠組みがあり、新制度の下で海外在住の日本語教師が貢献できる部分も一部想定されている。これらの点を解説したい。
第2部
表題:「ご当地キャラ」のデザインを通してのプレゼンテーション活動:「出身地紹介」の実践を基礎として発表者:菅田
陽平(北京第二外国語学院 )
進行:村上(当学会世話人)
内容:
本発表では、中国・北京市内の大学において、学習者が日本の「ご当地キャラ」について学び、自身の出身地の「ご当地キャラ」をデザインし、プレゼンテーションを行う実践について紹介する。その実施目的は、要点を絞り、他者の視点を意識した上で、情報を伝達するための鍛錬の機会を創出することにある。質問紙調査及び質的インタビューの結果、学習者の多くが活動に新鮮さを感じ、デザインにも達成感を持っており、互いの出身地の理解を深める機会となっていたことが確認された。一部ではあるが、コミュニケーションそのものに分析を加える者も存在していた。一方、活動の位置づけや意図が不明瞭だという反応もあり、「ご当地キャラ」の活用方法には、改善の余地があることも明らかになった。